YAZに関して

 先週月経困難症の治療薬YAZ(ヤーズ配合錠)で因果関係が否定できない3例の死亡が報告され、安全性速報で、「警告」が新設されました。
 新聞やテレビ・ネットでも報道され、当院にも問い合わせや相談が相次ぎ、そして治験参加のキャンセルが出ています。
 このヤーズは開発当初から血栓症のリスクは、海外での服用例から言われていました。ただ以前から処方されていた高用量・低用量ピルに比べて危険性が、極端に高いという印象はありませんでした。
 しかし亡くなられた方がいる事を思えば、真摯に現実を認識し、注意深い観察と、検査を行って安易な処方は避けたいと思います。ナースや受付事務みんなで一緒に対応を協議し、マニュアルも作成しました。
 そのうえで、治験担当医師として、原因の究明とリスクの軽減のために、今まで通り製薬会社寄りではない客観的なデータを積み重ねていきたいと思います。
 子宮頸がんワクチンと違い、元気な人に投与するのではなく、月経痛とそれに付随する生活障害の改善という目的がある薬ですから、慎重投与と治験・臨床研究は続けていくつもりです。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご理解をお願いいたします。