アメリカから患者さんが

 15日に珍しい(懐かしい)患者さんが来院されました。彼女は、私が福生病院時代から診ていた人です。

 当時子宮筋腫があり、結婚して妊娠を望んでいたのですが、なかなか妊娠せず、私も福生病院を退職してしまいました。普通ならそれで縁が切れるのですが、荻窪に開業した私をたずね、不妊治療を受け、めでたく妊娠したのです。
 彼女の自宅は羽村なので、近くの病院を勧めたのですが、はるばる荻窪まで通ってきてくれました。ところが、米空軍の夫に帰国命令が出て、大きなお腹をかかえて、事情の判らないアリゾナに渡ったんです。

 その後無事に生まれたとメールが届き、金髪で青い目の男の子が「ひろし(仮名)」と名付けられたと知りました。夫が彼女の亡くなった実父の名前を我が子にと付けたと聞きました。

 その夫も亡くなり、女手一つで彼を抱えて、アリゾナの砂漠で生き抜いてきたと思う(私の妄想?)と感慨もひとしおでした。今回は一時帰国なので、またアメリカに二人で帰るとのことでした。
 
 4才の「ひろし(仮名)」は父親そっくりの金髪で、小学生なみの体格でクリニックを駆け回るやんちゃさんで、かつて彼女を困らせた父親そっくりでした。今度会うときは立派な青年になっているのかしらん、などと思い、二人のしあわせをスタッフ一同願う一日でした。