怖い話(?)

 まだまだ暑い日々が続いています。みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 夏らしく怖い話を1つご案内します。
 わたしは医学部時代に山岳部で活動していました。

 冬の八ヶ岳西壁を登攀していたときのことです。 
 途中で吹雪になって、登頂ルートが判らなくなりました。
おまけにものすごい風で、指の感覚がほとんどなくなり、「もうだめか」と、あきらめかけていたときです。
 上の方から、かすかに「オーイ」と呼ぶ声が聞こえ、かすかに人の姿が見えます。
「あっちにいけば助かる」そう思って上ると、いままで見つけられなかったルートが不思議に浮かび上がってきて、そのピトンに沿って無事に稜線に辿り着けました。
 やれやれと思って、周りを見渡しますが、誰もいません。
 そして立っていたのは1本の墓標でした。遺族が、彼の死を悼んで建てたのでしょう。
 「ああ、この人が我々を助けてくれたんだ。」と、感謝のお参りをして、無事下山しました。
 その冬は大荒れで、八ヶ岳で2人が死亡したほか、他の山でも遭難者が続出した年でした。私も、右手薬指が凍傷にやられ、あわや切断の危機でした。
 「山で死んだやつに、悪霊は憑かない」
と言いますが、あの霊には今でも感謝しています。

 とか言って、こうやっている私の背後に(デスノートの)りュークのようにのぞきこんでいたりして・・・(笑)。