99%の怒り

 年末年始はニューヨークで過ごしました。
 自由の女神やブロードウェイミュージカル・タイムズスクェアのカウントダウンなどの定番コースはもちろんすばらしかったけれど、グラウンドゼロとウォール街の公園はお願いをして連れて行ってもらいました。
 貧困にあえぐ人たちが、格差社会と1%が富を独占していることに抗議して占拠していた公園は、立入禁止になっていました。
 それでも10人ほどがプラカードを持って、警官隊と対峙していました。30人ほどのデモ隊にも偶然遭遇しました。
 私が「日本でも「99%の怒り」が注目されていますよ。」と話しかけると、案内の人も「俺たちもいつ首になるかわからないんだ。金曜日になると沢山の荷物を持った人を、街で見かける。あれは解雇されてデスクの自分の荷物を持って帰る姿だ。契約社員やパートは、いつ解雇されるかビクビクして働いているんだ。」と、普通は観光客に話さないような事を語ってくれました。

 確かに注意して見れば、早朝のデリにはバナナ1本だけ買って出ていく黒人や、ベンチに寒そうにうずくまっている垢だらけの老人などを見かけました。チャンスの国アメリカも、一方で弱者に厳しい面を持っていると感じました。

 また原発事故の日本政府の対応に対する評価は、日本では想像できないほど厳しいものでした。 「自国民を守らない政府を許している日本人はお人好しにもほどがある。まったくクレージーだ!」とボロカスに言われました。
 全くおっしゃる通りで、反論出来ない自分が情けなかったです。